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不動産投資の銀行ローンは「積算評価」で決まる|融資が止まる人の共通点【宅建士が解説】

不動産投資銀行融資

不動産投資で銀行ローンを引くとき、価格や表面利回りより大事なのが「積算評価」です。銀行の評価が付かない物件は、社会的には“返し終わるまでただの負債”。宅建士とFP2級を持ち、不動産管理を本業にしている立場から、融資が止まる人の共通点と、資産を伸ばす人の物件選びを解説します。

先に立場を明かします。僕は宅地建物取引士(宅建)とFP2級を持っていて、本業は不動産管理。日々、いろんな物件と、その裏にある銀行融資やオーナーさんの事情を見ています。その現場感覚で言うと、不動産投資でまず目が行くのは利回りですよね。「表面10%!」は分かりやすい。でも、資産を継続的に増やしてきた大家さんほど、口を揃えて言います。「利回りより、銀行の積算評価でローンを組める物件を買え」と。今日はこの視点を、賛否も含めて整理します。

この記事で分かること
  • 不動産投資ローンで銀行が見る「積算評価」の意味と計算方法
  • なぜ評価の付かない物件だと、2棟目以降の融資が止まるのか
  • 銀行融資を続けて資産を買い進める人の物件選び
  • 「積算至上主義」の落とし穴と、収益還元とのバランス

宅建士・FP2級のあおいろ

正直、最初は「利回り高けりゃええやん」と思ってました。でもこれは”1棟買って終わり”の人と”銀行融資で買い進める”人で、まったく話が変わる論点なんです。

Basic

積算評価とは、銀行が不動産投資ローンの担保として、その物件をいくらと見るかの評価方法です。土地と建物を別々に積み上げて計算します。ざっくりこうです。

積算評価のざっくり計算
土地相続税路線価 × 面積
建物再調達価格 × 残存年数の割合
積算評価土地 + 建物

対になる考え方が収益還元評価(その物件がいくら稼ぐかで評価する方法)です。積算=モノとしての資産価値、収益還元=稼ぐ力の価値、と分けると分かりやすい。そして銀行によって、不動産投資ローンの審査でどちらを重く見るかが違います。ここが今日の肝です。

Core

ここが今回いちばん伝えたい視点です。あなたが5,000万円で買った物件を、銀行が「担保価値は3,000万円」と見たとします。すると差額の2,000万円は、資産で埋まっていない“純粋な借金”として扱われます。ローンを返し終わるまで、あなたの信用の上では「資産2,000万円ぶんの穴」を抱えている状態です。

これは1棟持って終わりなら大きな問題になりません。家賃で返せていれば回るからです。問題は2棟目、3棟目を買おうと銀行融資を申し込んだとき。銀行はあなた全体のバランスシート(資産と負債の差)を見ます。評価の付かない物件を持っていると、そのマイナスが次のローン審査に響き、「もう融資できません」となって買い進めが止まる。これが「評価が付かない物件は負債でしかない」と言われる本当の意味です。

補足すると、銀行が見るのは物件の積算だけではありません。本人の属性——年収、勤務先、金融資産(貯金)も同じくらい重視されます。だから積算の足りない物件でも、自己資金を厚めに入れて借入を圧縮すれば、穴を埋めてローンを組める場合もある。「積算が出ない=即アウト」ではないんです。ただ、属性や自己資金に頼りきる買い方は、いつか頭打ちになる。物件そのものの評価を積み上げていくほうが、長く銀行融資を引き続けられます。

宅建士・FP2級のあおいろ

利回りだけ高い物件は”稼ぐけど痩せてる”感じ。次の融資のとき、痩せた物件ばかり持ってると銀行が渋い顔をする、というイメージです。

Snowball

不動産投資で資産を増やす王道は、銀行ローンというレバレッジを効かせて買い進めることです。現金でコツコツより圧倒的に速い。この“買い進めのループ”を回すには、毎回、次の銀行が「この人には融資できる」と判断してくれる必要があります。

数字でイメージします。利回り10%・3,000万円の物件を、自己資金600万+銀行ローン2,400万で買うとします。家賃は年300万。単純化すると、2年ほどで次の自己資金600万が貯まり、それを頭金に2棟目へ。これを繰り返せば家賃も資産も雪だるま式に増えます。ただしこのループが回るのは、毎回“次の銀行がローンを出してくれる”限り。各物件の積算が出ていれば、バランスシートが太り続けて融資が続く。逆に評価の出ない物件が混じると、どこかでループが止まります。

積算評価の高い物件(=土地の資産価値がしっかりある物件)を買っておくと、買った瞬間にバランスシートが強くなる。評価>借入なら、その物件は「資産の塊」として次の融資でプラスに働きます。結果、次も借りられる → また買える → また資産が増える、というループが回り続ける。これが「踏み上げていける」状態です。

不動産投資ローンでの2つの買い方の違い
  • 利回り重視だけで買う:稼ぐが担保評価が出ず、数棟で銀行融資が止まりやすい
  • 積算評価も見て買う:バランスシートが太り、次のローンが続いて買い進めやすい

Balance

ここまで積算を推しておいて何ですが、「積算さえ高ければいい」は言い過ぎです。フェアに反対側も書きます。

まず、銀行によって不動産投資ローンで見る評価が違う。積算を重視する金融機関もあれば、収益還元(稼ぐ力)を主に見て、利回りが一定以上あればフルローンを出すところもあります。つまり「積算が正義」なのは、積算を見る銀行でローンを組む場合の話。出口(売却)も同じで、最後は買い手が付く価格=実需で決まります。

そして本質的な注意点。積算が高くても、家賃が入らなければ意味がない。地方の広い土地で積算は出るけど空室だらけ、では本末転倒です。積算評価は“次の銀行融資を止めないための守り”であって、キャッシュフロー(稼ぐ力)と両立して初めて機能します。積算とキャッシュフロー、どちらか一方ではなく両方——これが現実的な結論です。

もう一つ実務的な話を。積算が出やすいのは、土地の価値がしっかりある物件(都市部の土地、中古のRCマンションなど)。逆に新築の木造アパートは、建物の評価が年々落ちる前提なので積算は出にくく、収益還元で評価されがちです。だから「どのタイプの物件を、どの銀行に持ち込むか」はセットで考える必要がある。土地値の出る物件を、積算を見る地銀・信金で——これが銀行融資での買い進めを意識する人の定石のひとつです。

Conclusion

まとめます。1棟だけなら利回りでいい。でも銀行融資で資産を継続的に踏み上げていくなら、積算評価という“銀行の目”を先に持つべき。評価の付かない物件を掴むと、ローンを返し終わるまでバランスシートの穴になり、次の融資が止まる。買い進めのループを回し続けるには、積算とキャッシュフローの両方が要る、という話でした。

正直に言うと、僕自身もまだ規模の小さい大家で、この“買い進めの壁”を偉そうに語れる立場ではありません。ただ、宅建・FPの知識と、管理の仕事で色々な物件・銀行融資を見てきた経験から言うと、「利回りだけで買った人ほど、2棟目のローンで止まっている」のは肌感として本当です。数字の派手さより、銀行がどう見るか。ここを1棟目から意識できるかで、5年後の景色はかなり変わります。

最後に一つ。積算で買い進める不動産は、値動きの大きい株とは性格の違う資産です。株のインデックスで“数字上の資産”を積みつつ、不動産で“銀行が評価する実物資産”を積む。この二本立てができると、どちらかが不調でももう片方が支える。会社員をやりながら大家もやる、僕みたいな中途半端な立場でも、この二層はちゃんと組めます。地味だけど、これが一番の安心材料かもしれません。

※本記事は不動産投資・銀行融資の一般的な考え方を、宅建士・FP2級保有の筆者が個人的にまとめたものです。積算評価やローン審査の基準は金融機関ごとに大きく異なり、市況や個人の属性でも変わります。実際の投資判断・融資相談は、金融機関や専門家にご確認のうえ、自己責任で行ってください。

あおいろ

あおいろ
名古屋で不動産管理の仕事をしつつ、投資・暮らしを実験中。保有資格は宅地建物取引士・FP2級。ガジェットやAIのこともゆるく書いてます。
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